英日翻訳、自分なりの方法論

3段階で翻訳する

 

あくまでこれは、私の個人的な翻訳手法。

だいたい3段階で翻訳している。

 

①英文の構造解析(読みながら)

②とりあえずがんがん訳してパソコンで打ち込んでいく。

③見直して自然な日本語にする。

 

①と②はほぼ同時作業になるわけだが、②の段階を飛ばして、①と③を同時にやるのが理想ではある。でもそれは今のところ無理。また、結局、③に最も時間がかかっているような気がする。

 

品詞転換は当然の作業

 

大学院で翻訳を習っているが、ほとんどの先生が日本語に詳しくない。授業を受けていると、どうも、ヨーロッパの言語、例えばフランス語と英語、あるいはドイツ語と英語との間の翻訳を専門にしている先生などは、英語と日本語が全然違うことをあまり知らないようだ。

 

あるいは、違うことは知っていても、どれくらい違うのか想像がつかないようだ。

例えば、I was tired when I arrived home.を、「日本語に訳す時は、後ろの方を先に訳した方がいいと思います」などと先生に言うと、本気でびっくりされることがある。

 

日本語と英語の違いについて、もっと強調されるべきなのではないかと、よく思う。大学院で習うさまざまな翻訳理論も、ヨーロッパの言語と英語との間の翻訳をまずベースにしているように思われる。もちろん、どんな言語にも共通の理論は多いのだが、日本語と英語の違いなど、個別言語の特徴に目を配った翻訳理論ももっとあるべきだと思う。ただこれは日本人の役目なのかもしれないが。

 

さてそんな中で、翻訳理論でも「翻訳ストラテジー」などを習うが、そこで出てくるのが翻訳の際の「品詞転換」。翻訳時には品詞を変えた方がいい場合もあるという教えである。

いや、「変えた方がいい場合もある」というのはやはりフランス語と英語などの翻訳の場合で、日本語と英語間の翻訳では「変えた方がいい場合が多い」のではないかと思う。特に自然な日本語に仕上げようとするならば、それなりの工夫が必要である。

 

とりあえず今回は1つだけ簡単な例を。

Hard study will allow you to pass the exam.

直訳調「猛勉強が、あなたが試験に通るのを可能にするでしょう。」

もう少し自然にすると「必死で勉強すれば、試験に受かるでしょう。」

 

書いてみて気付いたのだが、また、自分の翻訳に対して客観的なコメントをするのもなんなんだが、品詞が変わっているだけでなく、主語が省略されたりもしている。というか、直訳調と自然な訳では、全然違う文ですなあ…。

 

まあ、つまり、言いたいのは、英語を翻訳して自然な日本語にしようとすると、なんだか、あらゆるものを変えないといけなくなることが多いということ。

今回はこの辺で。